「パティシエが行く」〜旬素材を求めて農園へ〜

Vol.03

Momiji Egg

株式会社ウッディライフ 「どんぐり農園」代表取締役 織田忠宜さん

清らかな空気と水の郷で65年

少林寺拳法の開祖、宗道臣の生誕地である美作市大内谷。地名のとおり、両側に山が迫り、清らかな谷川が流れる山間の地に、株式会社ウッディライフが営む「どんぐり農園」はあります。川に沿って並ぶ小さな鶏舎や田畑で、コツコツと耕した畑や、開放鶏舎で、安心・安全にこだわった、おいしい卵や鶏肉、野菜、特別栽培米を生産し続けて65年の、県内でも老舗の養鶏場です。窓が開放された鶏舎には、太陽の光がさんさんと注ぎ、山や谷川から吹く風が良く通るとても気持ちのいい環境で鶏たちはのびのびと育っています。
営んでいるのは、代表の織田忠宜さん。養鶏業を義父(奥さまの父)から受け継ぐ前は、「おかやまコープ」の関連会社で役員を務めており、食の安心・安全について高い意識をお持ちの方です。ワカナの大塚シェフとは、先代のお父さまの頃から約20年という長い取引きを続ける、信頼し合う仲です。小規模ではありますが、農園を伺うだけでも、飼育法や衛生管理にこだわり愛情と手間をかけて育てられていることが伺えます。

純国産鶏「もみじ」をのびのび飼育

「どんぐり農園」で飼育するのは、日本でわずか数パーセントしか飼育されていないといわれる希少な純国産鶏「もみじ」。トサカの色も鮮やかで、それが健康な鶏の目安なのだそうです。日本の養鶏業では、餌をあまり食べずに卵をたくさん産む外国鶏を買うのが主流。「もみじは」、卵肉兼用種といって、卵も取れるし食肉にもなる体格がいい品種で、体重も重いのだそう。「国産鶏は、餌はたくさん食べるし、卵はあまり産まない。それだけ生産コストはかかります。でも、病気やストレスには強いんですよ。そのおかげで、うちでは薬は一切使っていません」と、織田さんは力を込めます。安全性に疑問のある抗生物質などの薬を使わなくて済むのが、国産鶏にこだわる大きな理由だと話します。

衛生管理万全の開放型ケージで飼育

 鶏舎は、鶏の病気予防のため、関係者以外立ち入り禁止。出入りの際には、石灰で足裏を消毒してから入室するなど、衛生管理を徹底しています。開放型の鶏舎で育てているのも、鶏病やサルモネラ菌などの繁殖が防げるから。不健康な鶏の卵や肉は、アレルゲンにもなりかねません。「毎日食べていただく卵ですから、おいしいことはもちろん、何よりも安心・安全であることが大事だという思いはとても強いです。そのための検査は、すべてきちんと受けています」。サルモネラ菌や鶏インフルエンザウィルスはもちろん、放射性物質や残留農薬など、家畜保健衛生所による何種類もの検査を受け、安全であることの証を示してくれました。

飼料のこだわりは「栄養と安全性」

安心・安全への取り組みは、これだけではありません。織田さんが特にこだわっているのは、飼料。主原料のトウモロコシは、アメリカ・ミネソタ州から岡山までの間、完全に分別管理した安全なもの(P.H.Fコーン、G.M.Oフリーコーン)を厳選。そのトウモロコシと岡山県産の米を与え、さらにたまごの味をよくするために牧草、海草、貝化石といった自然の産物を混ぜて与えているそうです。また、鶏の臭いを抑えるための木炭微粉末や唐辛子(カプサイシン)なども特別に与えています。いっぽうで、鶏の成長を促進させるための抗菌性物質や合成着色料は一切使わないという徹底ぶりです。

大きな卵黄と濃厚な卵白が特長

そんなこだわりの飼育によって産まれたもみじ鶏のたまご「めぐみ」は、赤玉で、少し小ぶりのサイズ。「コンコン」と強く打ち付けないと割れないぐらい硬い殻から、丸々とした大きな黄身が出てきます。卵白は、プルプルしたゼリー状の層とこんもり粘度のある層に分かれ、その弾力ある卵白に包まれた卵黄は、大きくきれいな明るい黄色。「20年ぐらい前から、赤味の強いオレンジ色の黄身がよいとされるようになってきましたが、実は、卵黄の色というのは飼料に添加する合成着色料によって変わるものなんですよ」と卵用のカラーファン(チャート)を見せて教えてくれました。臭みがなく、コクのある濃い味わいは、生食はもちろん、さまざまなお菓子や料理に使うと味が引き立つと評価が高く、岡山市内の『ホテルグランヴィア岡山』や国立医療センターのレストラン、ナチュラルフーズ専門店『らんらん亭』、美作市にある道の駅「彩菜茶屋」などに直接販売しているそうです。

創業65年の老舗養鶏場を受け継いで以来、約20年間この仕事に携わってきた織田さん。苦労と言えば、「休む暇がないことかなあ」と苦笑いします。近年は山中から里へ下りてくるキツネやタヌキ、イタチなどの獣害にも頭を悩ませているそう。毎日鶏たちの環境に心を配り、採卵する生きもの相手の仕事は大変ですが、お客さまから「おいしい」と言ってもらえるのがやりがいなのだと顔をほころばせます。「どんなことでも一生懸命やれば結果がついてくるのかなあと思うんです。『一生懸命』って言葉では簡単すぎてなかなか本当の意味はわからんものですが、私もワカナさんと出合うまでは厳しい時代がありました。『貧乏するなら鶏を飼え~』と言われるようなね。どんなに苦しい作業でも、一生懸命やってきたことが、結果につながっていくんだとね」としみじみと話してくれました。日々の作業に地道に向き合い、愛情かけて鶏や農作物を育てながらも、食品安全や環境問題へも高い意識と熱量を持って取り組んでいる真摯な姿が伺えました。

WAKANA SELECTION

「どんぐり農園」の卵を使った、わかなの商品

こだわり卵の「生乳プリン」

307円(1個)(税別)

栄養豊富なエサで育った「どんぐり農園」のもみじ卵に、鏡野町の「池田牧場」の牛乳を自社で低温殺菌した生乳を使ったやさしい味わいのプリン。牛乳本来の風味・味を生かし、濃厚な卵のコクを生かしながらもさっぱりとした味わい。とろ~りとしたなめらかな口当たりと、程よい甘みが口の中で広がります。

  1. シリーズ

    「パティシエが行く」〜旬素材を求めて農園へ〜

  2. 八重桜の塩漬け

  3. 木成り熟成フルーツトマト

  4. 日本鶏へのこだわり

  5. 津山産小麦

  6. いちご

  7. ブルーベリー

  8. 大玉の清水白桃

  9. 酵素で育つピオーネ

  10. 幻の酢梅

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