「パティシエが行く」〜旬素材を求めて農園へ〜

Vol.05

Strawberry

「小竹ファーム」(苫田郡鏡野町円宗寺) 代表取締役(園長)小竹暁さん(こたけ・あきら)

のどかな田園の清らかな水で栽培

鏡野町役場から北東へ約1キロ足らず。のどかな田園風景が続く苫田郡鏡野町円宗寺地区に、小竹暁さんのイチゴ農園「小竹ファーム」はあります。すぐそばには鏡野町のふるさと特産品や青果の青空市場などを備えた町民の交流スポット「夢広場」があり、週末は来店客でにぎわっています。
元は田んぼだったという土地に建てた約3.5aのイチゴハウス2棟で、小竹さんやパートの皆さんで毎日イチゴを育てています。栽培している品種は、「紅ほっぺ」や「かおりの」そしてWAKANAが仕入れている「おいCベリー」の3種類。4月~5月にはイチゴ狩りの観光農園を開き、たくさんの子どもたちも訪れるそうです。ハウスの中に入ると、ミツバチがぶんぶん飛んでいます。なんとミツバチが媒介を手伝って、受粉させているのだそうです。初夏のように暖かく、甘い香りがぷ~んと漂ってきます。自然のイチゴの香りもこんなに甘く感じるのですね。

小竹さんは、2007年(平成19年)に、いとこが営むトマトの水耕栽培農家を手伝う形で就農しました。そして、WAKANAの大塚さんとは、鏡野町の後継者クラブのメンバーとして出会ったのがきっかけで取り引きを始めたそうです。「生産者と加工業者が情報交換や交流をする会でご一緒させていただいて、それから仲良くさせてもらうようになったんです。イチゴ農家だけでなく、ブドウやモモ農家などさまざまな生産者の方が出席されていて、ここで出会ったのが縁で商品開発を一緒にするというケースもあるんですよ」と大塚さん。鏡野町の「後継者クラブ」は、県内では一番会員が多く、規模も大きく活発なのだといいます。

清潔な高設栽培なので安心・安全。

小竹さんのハウスでは、腰より高い位置に棚を設置し、その上に並べたプランターに土を入れて苗を植えています。これは、『はればれプラント』という岡山県方式の高設栽培方法で、腰を曲げた姿勢で行うことの多いイチゴの栽培・収穫作業を、できるだけ楽にこなせるようにと考案されたそうです。それに、空中で、あまりプランターに土を盛らず栽培することで、病害虫が付きにくく、土埃などもたたないのが利点です。土づくりもそれほど難しくなく、イチゴの生育に合った土を使用。水の中に養液を入れて、「自動潅液装置」という機械により、決まった時間に自動で水やりと液肥の補充ができるような工夫を凝らしています。その装置の導入により、水や肥料の分量、割合、生育の状態などはコンピューターで管理できるようになったそうです。
ちょうど取材した5月頃から害虫や病気が増えてくるので、そのための対応も大変になってくると話す小竹さん。それでも、薬品を使った土壌消毒などは一切せず、食品添加物としても使用されているパン酵母のイースト菌やヨーグルトの乳酸菌、納豆の納豆菌などの養液を水に混ぜて撒くことで、化学農薬の代わりにしています。また、収穫期間中の農薬は使用しない努力をしています。安全への配慮はもちろん、栄養も愛情もたっぷり注いで育てているのですね。

甘いイチゴを作る秘密とは?!

環境面で一番気を遣っているのは、温度と二酸化炭素濃度の管理だそう。「ハウス内は、日中は25~30℃になりますが、夜は約8℃台まで冷え込んでしまうんです。それで、夜は気温が一定になるように暖房しています」。二酸化炭素の濃度がどう関係しているかについて聞いてみると、「イチゴに限らず、植物は光合成をして栄養素を作り出しているんですが、甘みの元になる糖分も作られるので、二酸化炭素が必要なんです。人がよく出入りすると二酸化炭素濃度は自然に高くなりますが、締めきっていると不足してしまうので、やはり調節しないといけないんです」とのこと。光合成が活発になるように、ハウス内の温度を上げ、換気をすることで二酸化炭素を取り込むようにしています。

真っ赤な実になる「おいCベリー」を

12月に苗を植え付けると、約3カ月で収穫でき、5月まではずっと採れるイチゴ。栽培に苦労もあるとはいえ、赤く熟れたイチゴの愛らしい姿や甘い香りをずっと楽しみながらの作業はしあわせそうだと感じました。WAKANAでは、「おいCベリー」をおもに仕入れているそうですが、その理由は、甘さや香りのよさはもちろん、果肉まで赤くて、カットした時に見た目がよりおいしそうに見えるからだそうです。やはりケーキに使うとなると、味はもちろん色や形といった見た目の要素も重要なのですね。まじめにこつこつとイチゴ栽培に打ち込む小竹さんの実直な姿が、イチゴの品質にも表れているようでした。

WAKANA SELECTION

「小竹ファーム」のイチゴを使った、わかなの商品

「生デコレーションイチゴ

みんなが大好きな「生デコレーション」2700円~や、さらにイチゴを増量してたっぷりのせた「生デコレーション イチゴUP」3200円~のほかクリスマスから5月のシーズンまで、イチゴを使ったさまざまなケーキが店頭に登場します。

  1. シリーズ

    「パティシエが行く」〜旬素材を求めて農園へ〜

  2. 八重桜の塩漬け

  3. 木成り熟成フルーツトマト

  4. 津山産小麦

  5. いちご

  6. ブルーベリー

  7. 大玉の清水白桃

  8. 酵素で育つピオーネ

  9. 幻の酢梅

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